逆流性食道炎
胃酸など胃の内容物が、食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起きた状態です。加齢や食生活の欧米化、喫煙・飲酒などの生活習慣、肥満が要因となり、近年増加しています。
主な症状は、胸やけ、胸の痛みですが、比較的まれな症状として長く続く咳、のどの違和感などもあります。胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害剤や胃の動きを改善するプロカイネティクスなどで治療します。
ピロリ菌感染症
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息する菌で、主に胃や十二指腸の病気の原因となります。幼少期に感染すると多くの方で成人になっても胃の中にピロリ菌が棲みつづけます。
ピロリ菌は、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍だけでなく胃がんの原因でもあります。胃がん予防のため内服薬による除菌療法を行います。
食道がん
食道がんは、初期には自覚症状がないことが多く、進行すると食道がしみるような感覚、食事がつかえるような感覚、胸の痛みや体重減少などの症状が出現します。
多くは飲酒や喫煙が原因であることが多いのですが、最近は逆流性食道炎に関連し発生するがんも見られます。
進行すると非常に速い厄介ながんですが、初期の段階で発見することができれば、内視鏡治療で治癒が望めます。
胃がん
胃がんは、日本人に最も多いがんの一つです。一般的に2㎝以内のの平坦な胃がんであれば内視鏡での切除が可能です。当院では内視鏡的切除可能な段階での胃がんを確実に発見できるように取り組んでおります(当院での胃がん診断の実績について第13回大津消化器カンファレンスで発表しました)。
通常胃癌の内視鏡治療は入院が必要ですが、当院では独自の工夫で、病巣切除後の潰瘍部分を被覆材(ポリグリコール酸シート)で覆い、さらにアルギン酸ナトリウムをゲル化して潰瘍面の保護を強化することで術後の合併症がほぼなくなり、外来で安全に行うことが可能となりました。
詳細は下記の日帰りESD まとめをご参照ください。
このように、内視鏡治療が可能なより早期の段階で発見するためには内視鏡診断に精通した専門医による定期的な内視鏡検査が必要です。
大腸がん
近年、日本人の大腸がん罹患率(かかる人の割合)は増加の一途をたどっています。平均寿命の高齢化に加え、食生活や生活習慣の欧米化が原因と考えられています。大腸がんは治療効果が高く、早期であればほぼ100%完治するため、早期発見が大変重要です。大腸がんも他のがんと同様、初期の段階では無症状であるため、早期発見のためには定期的な内視鏡検査が非常に有効です。
特に血縁者に大腸がんに罹った人がいる方で40歳を過ぎた方には、大腸内視鏡検査をおすすめします。また、大腸がんの大半は、ポリープが大きくなりがん化したものと考えられており、定期的に内視鏡でポリープを切除することで予防できるとがんと考えられています。
特に、右半結腸に好発する鋸歯状病変はBRAF遺伝子変異や遺伝子修復の異常を有しており悪性度の高い癌に進行する可能性があるうえに平坦で発見が難しい病変です。今まで多数の鋸歯状病変を発見した経験をもとに皆様に満足していただける高品質の検査・治療を提供します。