上部内視鏡検査
上部内視鏡検査(胃カメラ)は、月・火・木・金・土曜日の午前中と月・火・金・土曜日の午後に行っています。予約検査となります。
内視鏡は鼻からと口から(経鼻・経口)2タイプの内視鏡を用意していますので、ご希望の方法で胃カメラを受けていただけます。“鼻から入れる胃カメラは、太さはわずか5.2mmと現在最も細いもので口からのカメラと比べて喉を通る時のオエーという嘔吐反射がほとんどなく検査中でも会話できるという特徴があります。以前の病院で行ったアンケート調査では口からの内視鏡の苦痛を10とすると鼻からの内視鏡の苦痛は平均3.2でした。
一方、口からのカメラは10mm前後のカメラを3本用意しています。カメラが太い分ハイビジョンに対応した高解像度の画像装置を使用しております。狭帯域光(NBI)という特殊な光での観察と80倍の拡大観察を行うことが可能で、病変の微細な表面構造の観察ができます(図1)。以前の診療所ではこの観察法を使用し10mm以下の微小がんを多数発見できました。この様な微小がんの段階で発見できれば胃がんであっても日帰り手術が可能となりますので微小がんの段階で発見することは非常に大きなメリットになります。
このように口からの内視鏡は検査精度が高く、内視鏡で切除可能な小さながんを発見するのに非常に有用です。しかし、口からカメラを入れると“オエー”となり(嘔吐反射)、苦痛を感じられた方も多いと思います。当院では鎮静剤を注射して“ウトウト”寝ている間に楽に受けていただく方法(鎮静下内視鏡検査)を強くお勧めしています。苦痛がほぼなくなる上に、検査時の体動が減るため内視鏡観察(拡大観察)の精度が向上するというメリットがあります。今まで胃カメラを受けて“しんどかったので内視鏡は受けたくない”と考えておられる方は、ぜひ鎮静剤による内視鏡検査を受けてみてください。詳細な説明をご希望の方には電話でお問い合わせください。
- 図1 Narrow Band Image
図左:胃角小弯に認められた7mmの早期胃がん
左上:通常観察、右上:軽度拡大観察、下NBI拡大観察、この後、外来ESDで切除した。
NBI:(Narrow Band Image)とは、従来の白色光では見えなかった表面の微細な構造(特に血管)を強調して観察する機能で拡大内視鏡と併用することで、食道・胃・大腸の早期がんをより早期に発見することが可能となる。