当院の大腸内視鏡検査の特徴
1.従来に比べ痛みの少ない内視鏡検査

- 図2
空気を極力入れず、余分な屈曲を作らないで大腸の一番奥まで到達する挿入法(軸保持短縮法)を行っております。通常カメラを大腸の奥に進める方法は、カメラを押して屈曲を形成した状態で挿入を行うループ挿入法であるため(図2)、腸が伸びて苦しくなり、場合によっては強い痛みを感じることもあります。

- 図3
当院ではカメラの上下左右の屈曲機能や回旋操作を駆使して腸管をアコーデオンのように丁寧に短くたたみこんでいく軸保持短縮挿入法という方法で挿入を行っています(図3)。腸は引き伸ばされると痛みを感じますので、腸管をたたみこんでいく軸保持短縮法は、おなかの張りや痛みが非常に少ない方法です。また、当院内視鏡医師の盲腸までの平均挿入時間は4分50秒と短時間で挿入できます。
またトータルの検査時間も通常観察だけであれば10~15分以内です。私の経験した症例では、他院で痛みのため途中で検査が中断になったという方でも全例で盲腸まで内視鏡挿入が可能でした。今までの受けられた大腸内視鏡検査で不安がある方は一度ご相談ください。
2.おなかの張らない検査
小さなポリープも見逃さないよう検査の際に十分に大腸を膨らませて観察しますが、炭酸ガスを使用することでお腹のはりをなくす工夫をしております。
3.リラックスして受けられる検査
リラックスして検査していただくよう胃カメラと同様に鎮静剤使用をお勧めしています。検査後はリカバリールームで休憩できます。
4.大腸ポリープ日帰り手術
原則的に大腸ポリープを発見した時点で内視鏡下に切除します。理由は、以前はがんにならないとされていた過形成性ポリープにがん化のリスクがあるとわかってきたためです。アメリカ内視鏡学会では大きさに関係なくすべてのポリープを内視鏡で切除することが大腸がん予防につながるとしています(例外としてS状結腸から直腸の5mm以下の過形成性ポリープは例外でがん化しにくいので経過観察でもよい)。当院でもその指針に従いポリープを切除するようにしています。切除後は止血剤の点滴を受けていただきながら30分ほど安静にしていただき、その後帰宅していただきます。切除は原則コールドポリペクトミーという手技で行い、検査後に出血する危険性は極めて低く入院の必要はありません(前施設では年間1000個以上のポリープを切除していましたが、ポリープ切除後に入院してもらうことは一度もありませんでした)。しかし,形態的にがんが疑われる場合や血液をサラサラにするお薬を服用中の方で出血の危険性が高いと判断した場合は、薬を止めるなどして日を改めて治療を行うこともあります。
5.狭帯域光(NBI)という特殊な光で80倍の拡大観察を行うことが可能
胃カメラと同様大腸内視鏡でも狭帯域光(NBI)という特殊な光で80倍の拡大観察を行うことが可能です。大腸には平坦で通常観察だけでは発見んが困難な腫瘍が潜んでいることがあり、このような腫瘍の発見に有用です。