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ピロリ菌は胃がんリスクを高めます

ピロリ菌は胃がんリスクを高めます

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは、胃の粘膜に住み着く細菌のことで、胃や十二指腸潰瘍の約9割がピロリ菌感染によるものだと言われています。また、ピロリ菌に長く感染していると、胃粘膜が萎縮してしまい、胃がんのリスクが高まります。
日本では、胃がんの予防のために、2000年より保険診療でのピロリ菌治療ができるようになりました。感染の有無を確認し、しっかりと除去することで、胃がん発症の可能性を下げることができるので、根気よく治療していきましょう。

次世代への感染予防について

ピロリ菌の感染経路について、昔は水道などの衛生環境が整っていない地域で感染すると言われていました。しかし最近では、口移しや食器の共有などによる経口感染が原因になると考えられ、免疫力や胃酸が弱い乳幼児期の感染が多くなっています。
子どもが生まれる前に、両親や祖父母がしっかりとピロリ菌を除去しておくことが、次世代への感染防止に効果的だと言えます。

保険適用で受けられます

ピロリ菌検査・除菌は、保険適用で受けられます。保険が適用されるのは、胃カメラ検査を受け、胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎が診断された場合です。

ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍の原因となることがあり、これらの症状がある場合にピロリ菌の感染を疑うことが一般的です。適切な診断と治療を受けるためにも、これらの症状がある方は胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

ピロリ菌の検査

内視鏡による検査

迅速ウレアーゼ検査

ピロリ菌が胃の中で生きていくために出す「ウレアーゼ」という酵素の活性を利用した検査です。胃カメラでピロリ菌感染を疑った場合、同時に迅速ウレアーゼ検査も行えます。

組織鏡検法

採取した胃粘膜を顕微鏡で観察します。ピロリ菌の数が少ない時には、あまり有効ではありません。

培養法

胃の粘膜を採取し、ピロリ菌の発育環境下で培養します。結果が出るまでに3~7日ほどかかります。

内視鏡を使わない検査

血清抗体検査、尿中抗体検査、便中抗体検査

血液、尿、便のいずれかを採取し、ピロリ菌の有無を確認します。負担が少なく検査できますが、胃カメラを行わない場合は保険適用外(自費)となります。

尿素呼気検査

ピロリ菌の「ウレアーゼ」に反応する試薬を飲み、呼気を採取して感染の有無を調べます。朝食を抜いていただく必要がありますが、30分ほどでできる検査です。保険適用外(自費)です。

ピロリ菌の除去

服薬について

服薬について

ピロリ菌は、薬の服用で除菌することができます。「胃酸の分泌を抑える薬」1種類と、2種類の「抗菌薬」、合計3種類の薬を1日2回、7日間飲んでいただきます。
約70~80%の方がこれで除菌に成功しますが、もしまだピロリ菌感染が認められた場合は、抗菌薬の種類を変え、再度服薬を行います。ほとんどの場合、2回目で除菌が成功すると言われていますが、まれに3回、4回と必要になる方もいます。

※3回目以降の除菌は保険適用外(自費)となります

除去治療の注意点

判定検査の重要性

服薬治療を行ったあとは、4週間以上あけてピロリ菌がいなくなっているかを確認する必要があります。一度の治療だけでは除菌できない場合もあるため、必ず判定検査を受けに来てください。

自己判断での服薬中止は避けましょう

服薬を途中でやめると、薬剤耐性のあるピロリ菌に変化する可能性があります。期間中は休まず服用を続けましょう。

薬の副作用について

除菌治療の薬によって副作用が出ることがあります。軟便や下痢などの軽い症状であれば、薬の回数を減らさずに7日間飲みきってください。
ただし、発熱、血が混ざる下痢、アレルギー症状などが見られた場合は、すぐに薬の服用を中止し、当クリニックまでご連絡ください。

定期的な胃カメラ検査の重要性

ピロリ菌の除菌治療を受けた後も、胃がんのリスクが完全になくなるわけではないため定期的な検査が非常に重要です。患者様ごとに異なるリスク評価に基づいて、1年、2年、または3年ごとの胃カメラ検査をおすすめしております。

定期検査のメリット

早期発見

胃がんや胃潰瘍などの病変を早期に発見し、治療することが可能になります。

リスク管理

ピロリ菌除菌後の胃がんリスクを継続的に監視し、必要に応じて迅速に対応できます。

健康維持

定期的な検査により、胃の健康を長期にわたって維持することが可能になります。

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