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日帰り内視鏡手術(大腸ポリープ切除、早期胃がん切除)
手術としては大きく分けて2つになります
(①内視鏡的大腸ポリープ(早期がん)切除術、②内視鏡的胃腫瘍・早期胃がん切除術(粘膜下層剥離術/ESD))。
「芽」の状態で切除すれば、大腸がん予防に繋がります
「超早期発見」を目指して
女性のがん死亡原因の第1位、男性でも第3位となっている大腸がんですが、いきなり発症することはありません。ポリープという段階を経てがんに進行するため、早期にポリープを切除することで、大腸がんの予防に繋がります。
ポリープとは、いわゆる「いぼ」のようなものですが、大津市松原町のオクムラフォレストールクリニックでは、もっと小さい「芽」の状態で切除する「超早期発見」を目指しています。大腸カメラ検査でポリープを見つけ次第すぐに切除手術を行い、その日のうちに帰宅していただけるので、患者様の負担も少なくなっています。原則的に大腸内視鏡検査においてポリープを発見した時点で内視鏡下に切除(ポリペクトミー)します。理由は、以前はがんにならないとされていた過形成性ポリープにがん化のリスクがあるとわかってきたためです。アメリカ内視鏡学会では大きさに関係なくすべてのポリープを内視鏡で切除することが大腸がん予防につながるとしています(例外としてS状結腸から直腸の5mm以下の過形成性ポリープは例外でがん化しにくいので経過観察でもよい)。当院でもその指針に従いポリープを切除するようにしています。切除後は止血剤の点滴を受けていただきながら30分ほど安静にしていただき、その後帰宅していただきます。切除は原則コールドポリペクトミーという手技で行っており、検査後に出血する危険性は極めて低く入院の必要はありません(17.2日帰り大腸ポリープ切除の特徴)。しかし,血液をサラサラにするお薬を服用中の方で大きさなどから出血の危険性が高いと判断した場合は、薬を止めるなどして日を改めて治療を行うこともあります。また、形態的に粘膜内がん(転移の危険性のないがん)と判断した場合も発見時に切除を行っています(早期がんの場合は切除後の組織の顕微鏡診断で本当に転移の危険性がないかを確認する必要があります)。ポリープは最大で2㎝程度のものまで切除しているため、1㎝を超えるポリープを切除した場合、通常は検査当日の夕食から摂ってもらっていますが、当日は水分摂取のみにしてもらう必要があります。
日帰り大腸ポリープ切除の特徴
当クリニックでは「コールドポリペクトミー」という方法で、大腸ポリープの切除を行っています。従来は、大腸ポリープに細いワイヤーをかけ、高周波電流を流して切除する方法が一般的でしたが(ホットポリペクトミー)、コールドポリペクトミーでは、熱を使わずそのまま切除します。10mm未満のポリープに対応でき、次のようなメリットがあります。
※当クリニックでは原則コールドポリペクトミーで切除していますが、大きさによりホットポリペクトミーを行う場合もあります。
出血が少ない
電流を流して切除する場合、粘膜の下層まで傷つけてしまうため、出血が長引くことがあります。しかし、コールドポリペクトミーでは、わずかに出血するだけで、数分で止まります。帰宅後に問題になるような出血の可能性が極めて低いため、日帰り手術が可能です。
穿孔リスクが低い
高周波電流による切除は、大腸に穴が開く=穿孔の可能性があると言われ、そのリスクが低いのがコールドポリペクトミーです。大腸に穴が開くと、命に関わる合併症の危険も高まるため、より安全な方法として採用しています。
ポリープ切除後の注意点
出血や穿孔のリスクが低い方法で切除を行うものの、手術後は安静が基本です。以下の注意点をよくご確認ください。
- 当日は、香辛料など刺激の強い食べ物は避けましょう。しばらくは消化の良いものを摂ることをおすすめしています。
- 術後3日間は、アルコールは厳禁です。その後も7日目までは控えめにしてください。
- 熱いお湯は出血の原因になるため、当日はシャワーで済ませてください。翌日から入浴していただいて構いません。
- 1週間ほどは、遠方への旅行や出張、長時間の運転、腹圧のかかる運動などをしないよう、スケジュールの調整をお願いします。
定期的に検査を受けましょう
大腸ポリープは、早期に発見すれば大腸がんを防ぐことができますが、再発しやすいという特徴があります。過去にポリープを切除したことがある方や、身近なご家族に大腸がんを患っている方がいる場合は、特に注意が必要です。ポリープは繰り返して出てくることが多く、無症状で進行することも多いため、切除して終わりではなく、定期的に大腸カメラでの検査を受けていただくことをおすすめしています。
早期胃がん切除(日帰り内視鏡手術)
内視鏡的胃腫瘍、早期胃がん切除術
胃の良性腫瘍や転移の可能性のない早期胃がんについても日帰り手術を行っています。良性の腫瘍については大腸ポリープ同様にポリペクトミーという手法で行います。一方、胃の粘膜は大腸ポリープに比べて厚さがあるため従来のポリペクトミー手技では胃がんの根を残す可能性があります。そのため、早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という手法で切除します。
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とは?
ESD(Endoscopic Submucosal Dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)とは、胃の壁が粘膜層、粘膜下層、筋層という3つの層から構成されていることに着目した手術の方法です。特殊なナイフを使用し、がんが発生する最も内側の粘膜層から粘膜下層にかけてを内視鏡で観察しながら少しずつ切開剥離していく方法です。がんの水平方向 垂直方向のがん広がりの外側を確認しながら切っていくため、がんを高率に完全切除できます。この技術により、ポリペクトミーでは従来の外科手術に及ばなかった治癒率が、ほぼ同等になりました。また、お腹を切らないため外科手術に比べて身体への負担を大幅に軽減することができるのも大きなメリットです
当クリニックの日帰りESD
大津市松原町のオクムラフォレストールクリニックでは、超早期・早期の胃がんを対象に、日帰りでのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を実施しています。通常、この治療を行う際には入院が必要となりますが、当クリニックでは独自の合併症予防対策により、患者様が日帰りで治療を受けられる体制を整えています。
胃は出血しやすい臓器であり、特にESD後は消化液の作用により傷口が刺激され、出血リスクが高まります。当クリニックでは、この出血リスクを抑えるために、特殊な保護剤を傷口に貼り付ける技術で対応しています。
この保護剤の正確な貼り付けにより、これまでに出血のトラブルが起こったことは有ありませんが、念のため当日のお食事は控えていただきます、治療翌日にも内視鏡検査を受けていただき出血がないことを確認してから食事が可能となります。
通常ESDは2日間の絶食と、約1週間程度の入院を必要とするためご高齢の方は退院後体力が低下しQOLを戻すのに時間が必要です。日帰りESDではそのようなことがありません。
ESDの適応となるがんについて
胃がんにおけるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は、超早期または早期の胃がんに対して有効な治療方法とされています。
当クリニックでは、潰瘍瘢痕のない病変で2cm以下の高分化型癌、または1㎝以下の未分化型癌に対しては、基本的に外来でのESDを行うことが可能であると考えています。しかし、胃がんの発生部位によっても出血などのリスクが変わるため 形態と発生部位などから総合的に判断させていただきます。患者様の安全を最優先に考えて、入院治療を推奨させていただくこともあります。